16.暑い夏は、かき氷?!
タマの世界征服
 
  @熊本 工藤工務店タマの世界征服TOP > 目次
  16.暑い夏は、かき氷?!
 

「暑いね~」

縁側で寝転び、内輪で仰ぎながらタエちゃんが言った。タマが横目で見ながら鳴いた。

「僕にはちょうどいいにゃ~」

風がやさしく吹き込んでくる。縁側でゴロゴロしているタエちゃんと猫一匹。すると隣のシロちゃんがやって来た。

「タマちゃん私も仲間に入れて、気持ちよさそうね。」

「シロちゃんいらっしゃい。」

少し起き上がりタエちゃんが言った。シロちゃんが丸くなるのを見てすぐに寝転んだ。人と猫二匹が縁側で寝そべっている、何ともいい光景だ。すると又、思いしたようにゆっくりと起き上がった。二匹はタエちゃんを見た。

「そうよね、今日もかき氷を食べよう。」

そう言うと台所の方へ歩いて行った。

「タエちゃんはどうしたの?」

「アイスだよ、冷たいやつ。人間はそんな物を美味しそうに食べるんだ。」

「氷のことね!私は好きよ。小太郎が少しくれるのよ。」

シロちゃんの発言にタマは驚いた。

「タマちゃんは嫌いなの?」

「余りにゃ…」

するとタエちゃんが戻ってきた。ピンクのシロップがかかっているかき氷と、ガラスの皿に氷を入れ、親切に2つ用意して持ってきた。

「はい、タマとシロちゃんの分ね。」

目の前に皿が置かれた。シロちゃんが氷を前足で転がし、前足についた溶けた冷たい水をペロペロと舐めた。

「ひんやりしておいしわよ。タマちゃんもやってみたら?」

じっとシロちゃんの動きを見ていたタマが、恐る恐る真似をしてみた。

「やっぱり冷たいにゃ。」

何度か前足でチョンチョンと触っているうちに慣れてきた。舐めてみると程よい冷たさだ。

「何だ、いいじゃないか?」

面白くなってきたタマ。ガラスの皿に氷があたりカランカランと音が鳴る。タエちゃんは氷で遊ぶ二匹を見てニコニコしながら、かき氷を食べていた。

「何だか、涼しげな感じでいいわね~」

タエちゃんは気持ちも癒された。しかし、タエちゃんは思い出した。もうすぐ夏休みが終わること、まだ宿題が残っていることを…。
                        
タマの世界征服 TOP
@熊本 工藤工務店
 Copyright(C) 2011 Kudou All Rights Reserved